子供を叱るのはいつから?年齢別の叱り方(1、2、3歳~6歳以降まで)
近年、子どもは褒めて伸ばすという考え方が主流となったことで、「叱る」という行為が難しい、うまくできないと感じる親が増えているようです。しかし、「褒める」も「叱る」も、子どもの成長をサポートするために必要な行為です。
そこで今回は、子どもが誕生してから小学校に上がる期間までにおいて、子どもを叱るのはいつから始めた方が良いのか、どのように叱るのが良いのか、その叱り方について年齢別にまとめてみました。
叱るという行為の定義付け
最初に、ここの文章における「叱る」の定義を確認しておきたいと思います。叱るという行為が何を指すのかは、人によってイメージがかなり幅広いためです。
この文章では、「叱る」とは、大人が子どもに「ルールやマナーを教える行為」だと思ってください。明確な信念があり、子どもであっても一人の人間として尊重し、対等な目線で伝えてようとする行為です。
一方、「怒る」という行為はこの文章では除外します。ここで意味する「怒る」とは、親が自分の感情に任せて場当たり的に怒鳴ったり、大人の気分次第で子どもを精神的、肉体的に傷つけたりする行為です。
感情的で子どもに恐怖を与えるような行為、ハラスメントのような行為は、ここでいう「叱る」に含まれていません。
0歳~6カ月頃
この時期の乳児は、自分の意志では移動できず、親に完全依存状態です。
赤ちゃんの言動は、快か不快かによってのみ決まる段階です。
よって、この時期の乳児に対し、何かを叱るということはほぼありません。むしろ、この時期に、しつけや教育という親の一方的な考えで、厳しく当たっているとしたら、それは発達を阻害する行為です。
大声で泣くのも、なかなか寝付かないのも、厳しく叱ってできるようになるものではありません。全て受け入れる覚悟で大人は接していきましょう。
6カ月~1歳
この時期の乳児は、ハイハイという行為で移動手段を得ます。
手先が器用になり、物をつかんだり、口に入れたりすることができるようになります。
よって、この時期に何か叱る場面があるとすれば、危険な場所へ這って行ったり、害になりそうなものを口に入れたりといった危険行為があった場合です。
叱り方としては、言葉で「危ないからやめようね」と、その場所や物から離す、「ダメよ!」と少し大きな声で危険を知らせる、などです。
この時期はまだ言葉の意味やコミュニケーションが十分ではありませんので、大人の声のトーンや、表情によってダメなことを伝えていく必要があります。無表情ではなく、顔を曇らせたり、困った顔を作って見せたりして伝えていくと良いでしょう。
乳児は、自分の行為と大人の反応がどうつながっているのか、学んでいます。
親の反応を見ながら、ダメと言われた行為をあえて繰り替えしやることもあるかもしれません。発達的にはとても意味のあることなので、躾といって過度に厳しく叱る必要は全くありません。
1歳~1歳半
この時期は乳児から幼児への移行期です。歩き出す子も増え、言葉も意味をもった単語を理解し、使うようになっていきます。
この時期の叱る場面は、やはり自傷、他害、物の破損などにつながりそうな危険な行為です。また、各家庭に存在する様々なルールも徐々に教えていくとよいでしょう。
叱り方としては、目を見て訴えるような形で叱ると、声のトーンや表情で、大人が何を言おうとしているのか、子どもも懸命に理解しようとしてくれます。語彙の発達にもつながります。
注意点としては、ダラダラ叱らないことです。
手短に説明し、ダメだということが伝われば十分です。まだまだ未熟のため、ルールやマナーを全て完ぺきに伝えたいなどとは思わず、成長を待つ姿勢も大切です。
1歳半~3歳
この時期は、まさに「魔の2歳児」と呼ばれるように大変な時期です。
まず、言葉が二語文、三語文と発達し、自分の意思を大人に伝えられるようになってきます。そうなると、自己主張が激しくなります。何でも自分でやりたい、できる、という万能感も強い時期なので、周りの大人はかなり振り回されるでしょう。
この時期の幼児を叱る場面としては、今までと同様、危険行為に対してと、家での生活のルールなどです。また、少しずつ外でのマナーを学ぶ時期にもなってきます。集団、お友達との付き合い方で、叱ることが出てくるでしょう。
叱り方としては、やはり手短に、簡単な言葉を使って伝えていきます。ダラダラと叱りません。また、なぜダメかを伝えた後、どうすればよかったか、どの行為なら受け入れられるのかという正しい行為も合わせて伝えていくことが大事になってきます。
注意点として、この時期の子どもは、一度ルールやマナーを教えてあげたからと言ってすぐにできるようになるわけではありません。根気よく繰り返し教えていくという気持ちで、同じ失敗を受け入れてあげましょう。
3歳~5歳
この時期の幼児は、本格的な集団生活に入っていきます。言葉は巧みになり、人間の複雑な感情も覚えていくようになります。
叱る場面は、自傷、他害、物の破壊などの危険行為は変わりません。成長してできることが増える分、家での生活習慣のルール、外での集団でのルールなどを教えるために叱ることが増えるでしょう。
この時期の叱り方として、手短に簡単に伝える方法以外に、時には時間をかけてゆっくり伝えるという方法も使えるようになります。なぜその行為がダメなのか、どうしたらよいのかをセットで、じっくりと話し合います。
一方的に伝える関係から、子どもの意見も聞く時間を取りましょう。最初になぜその誤った行為をしたのか、理由を聞いてあげるのも有効です。
注意点として、注意、叱責が増えすぎると子どもの自尊心を失いやすい時期だということです。
脅して大人の言うことを聞かせるという方法もなるべく少なめにしましょう。親とは異なる別人格が生まれているのだということを理解し、歩み寄る気持ちを忘れずに叱りましょう。
6歳以降
学童期と呼ぶこの時期になると、子どもは親以外からもたくさんの知識を学んできます。知識は豊富になり、ごまかしや嘘も使うようになります。
叱る場面は、危険行為・家でのルール・外でのマナーです。特に外で他人に迷惑をかける行為や友達を傷つける言動を見つけたら、叱ってあげる必要があります。
叱り方は、短くさっぱり叱る時、じっくり話し合いながら叱る時と使い分けます。子どもの意見も聞きながら、親の考えや気持ちも交えて、コミュニケーションを取っていきましょう。
注意点は、全て親のコントロール下に置こうとしてはいけない時期にきているということです。親も時には目をつぶり、子ども自身に考えさせる猶予を作ってあげることも大事です。
何をどこまで叱るか、幼児期とは異なる線引きをしなくてはならない時期だということを、大人が自覚しましょう。
最後に
ここでお伝えした年齢別の子供の叱り方を、ぜひ参考にして頂けたらと思います。
ただし注意点が一つあります。
それは、これらはあくまでマニュアルのようなものであることです。
一人一人個性がありますし状況によっても違ってきますから、その場その場でしっかりと子供を観察して理解し、あなたが子供にとって一番響くと思う叱り方をしてください。
響くというのは、子供があなたからお小言をもらいながらも、自分が愛されていると実感することです。
少し難しいと思うかも知れませんが、意識するだけで全然違います。何故なら、子供には相手の心の深い部分を察する能力があるからです。それが愛から来ているのか、それとも自我から来ているのか、ですね。
ですから、あまりマニュアルばかり意識し過ぎると、子供は親が自分とちゃんと向き合ってないと感じるため、あまり愛を感じ取ってもらえないのです。
子供を叱る場面が来たときに備えて、ぜひ覚えておいてください。
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