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ICANとは何か。核兵器廃絶活動の世界への影響と日本政府が賛同しない理由

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2017年10月6日、当年のノーベル平和賞が発表されました。受賞したのは国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」です。

今年7月に「核兵器禁止条約」が採択されたのですが、その陰に彼らの働きがあったことを受賞前に知っていた人々はどのくらいいるのでしょうか。その後、北朝鮮の核開発やミサイル開発が活発になり、国際問題に発展したのはまさに皮肉ですね。

「核兵器禁止条約」は核を所持する国は批准していません。そういった意味ではまだまだ活動が実を結んだとは言えないでしょう。それにも関わらず、彼らがノーベル平和賞を受賞することになったのはなぜなのでしょう。

そして、彼らがノーベル平和賞を受賞することにどんな意味があるのでしょうか。

ここでは、このICANとは何か、そして彼らの核兵器廃絶活動の世界への影響と、日本政府がそれに賛同しない理由をまとめました。

 

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)とは?

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)とはスイスのジュネーブに本部を置く連合体です。60ヶ国以上から人道・平和・環境などの団体が参加しています。1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師会議」から派生した団体で、2007年に発足しました。彼らは国や団体に以下の4つのことを求める活動を行ってきました。

  1. 核兵器のいかなる使用も認めない
  2. 核を保有しない国においても核兵器保有、使用禁止の責務を課す
  3. 核保有国は核を完全に廃絶する義務を負う
  4. 核兵器禁止条約のための多国間協議を行う働きかけを迅速に行うこと

彼らの最大の目的は地球規模の核兵器禁止のための条約の交渉です。そういった意味では今年の7月に採択された「核兵器禁止条約」は彼らの悲願と言ってもいいほどの結果です。参加国に関してはまだまだ足りないものの、大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。

発足から10年でここまで影響力を持つだけの活動をしてきたということは、ノーベル平和賞を受賞するに相応しいと言えるでしょう。たとえ、その背景に北朝鮮の核開発問題に対する抑制力という意味合いが込められていたとしても、彼らの功績は称えるに相応しいものであると私は思います。

 

ICANのノーベル平和賞が世界に与える影響は

普通に考えたら、ICANの核兵器撲滅運動及びノーベル平和賞受賞が世界に大きな影響を及ぼすとはあまり思えないでしょう。国際機構で結ばれる条約にはあくまで強制力もなく、罰則規定もありません。そもそも、国連でさえ直接的に国を罰する権限などありはしないのです。

あくまで国連や国際機構は国と国との協力関係によって成り立っているものです。中央政府のような存在はいないため、強制力を持たせることが出来ないのです。そのため、たとえ条約を守らずに抜けるとしても罰則を課す権限などありはしません。

北朝鮮に対する制裁であっても、国際間で合意が得られた上で行われています。ですから無関係な国であれば、たとえ制裁に参加しなくても直接的には問題もないです。

増してや、核開発を行う国がある中で、核保有国が核を廃絶する条約に参加するなどあり得ません。核兵器という脅威を抑制する存在もまた核兵器しか存在しないのです。

たとえ核保有国が使うつもりがないとしても、北朝鮮のような非人道的な国が核を保有する可能性がある以上抑止力として核を持っておく必要がある、という考えは全くおかしくはないでしょう。

 

ただし、直接的ではなく間接的にであれば、影響を与える可能性はあります。

たとえば、このような活動をしている人がいることを知れば、平和第一という考え方の人は共感して、自分達も何らかの声を上げたり、場合によっては活動を起こそうとするかも知れません。

そういった声や活動が広がっていけば、それは各国の政府の考え方や方針を変えてしまうこともあります。

ですから、その点で言えば、ICANの活動自体が無駄、ということは全くなくて、それが本当に良いか悪いかは別として、世界に対しての何らかの影響を与え得るのです。

 

日本政府が賛同しない理由

さて、核兵器を持っている国は「核兵器禁止条約」には批准しない、という話でしたが、実は日本政府も批准していません。

これは何故だかわかりますでしょうか。

この理由は単純で、日本がアメリカに守られているからです。

日米安全保障条約で何かあったらアメリカに保護してもらう契約になっているにも拘わらず、日本が「核兵器禁止条約」に批准したらそれは非常におかしなことになります。

守ってくれるアメリカは武器を失ってしまいますからね。

例えるなら、自分のボディーガードに対して拳銃の使用を禁止するようなものです。

もちろんその結果、戦う武器を失うアメリカだけではなくて自分達の身も危うくすることになります。

ですから、ICAN関係者は

「被爆国である日本が批准しないのはおかしい」

「被爆者への裏切り行為だ」

と日本政府を非難していますが、日本側としたら至極当然の判断なのです。

もし批准するとしたら、日本は日米安全保障条約を解消し、完全に自立してやっていく必要が出てきます。少なくとも、現時点ではそれに十分なだけの自分の身を守る手段がないのは明白でしょう。

というか、北朝鮮や中国が核を所持している以上、基本的には核で対抗するしか手段がないというのが現実です。ですがもちろん今から核開発をするというのは国際社会からの反発も買いますし多くの国民もそれを望まないので、であればアメリカに頼り続けるしかない、ということになってしまいます。

この辺りはかなりのジレンマではありますね。

 

まとめ

「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」とは何か、その活動内容と世界への影響、背景事情などをかなりご理解頂けたのではないでしょうか。

核兵器は確かに「非人道的な兵器であり、地球上に存在するだけで脅威となるもの」です。日本は唯一の被爆国として、他国以上にその恐ろしさを理解できていると思います。しかし、非人道的な国が核開発を行う以上、抑止力として核を保有するということは必要なことなのです。もし、そうでなければ非人道的な国が力をつけていき、武力で世界を脅かすことに繋がりかねません。現核保有国が署名しないのはまさにそのためです。

世界中の人々が核兵器を禁止するという考えを持ち、争いも話し合いで解決できるような世界であればそれは理想でしょう。しかし、現実はと言うと世界では一方的な弾圧や内紛、そして武力による支配を行う非人道的な行為が蔓延しています。日本から見れば遠い国の出来事であるかもしれませんが、それは現実に起こっていることなのです。

核はたとえ使わなかったとしても、持っているだけで相手からすればこちらも脅威とみなされます。そうなれば狙われるのは核を持たない国々になります。さらに、たとえ実際に武力行使をする気がなかったとしても、するぞするぞと脅すことで交渉ごとを有利にさせたり、どさくさに紛れて領域を自分のものにしてしまったりします。実際、どこぞの大国は当たり前のようにそれをしています。

 

これでもまだ、あなたは現核兵器保有国に核を廃棄するよう訴えかけることが出来ますか?

実際のところ、こう言っては何ですが「核兵器禁止条約」というのは、どちらかというとお花畑的な思想ではあると私は思います。

世の中には必ず悪人がいて、そしてその悪人達の支配する国が必ずありますから。

拳銃の使用が禁止されている日本ですら、警察は条件付きで使用が認められていますよね。要するに、そういうことです。


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